プロジェクト 計画

2023/11/15  2024/4/23

プロジェクト計画書に記載すべき項目と作成方法を解説【おすすめツール紹介】

会社の経営や管理を行う際に新しい事業や開発を行うシーンを経験した方は多いと思います。また経験がなくとも、これから新たに新事業を任せられることもあるでしょう。

本記事ではプロジェクト進行に必要なプロジェクト計画や始動時に作成をするプロジェクト計画書について解説していきます。この記事を読んで、他のビジネスパーソンから一目置かれるプロジェクトマネージャーとなりましょう。

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プロジェクト計画とは

まず初めにプロジェクト計画について解説していきます。プロジェクト計画の概要と必要な理由、似ている用語と比較して確認していきましょう。

プロジェクト計画とはプロジェクトの進行を管理し、成功させるために必要なスケジュールやリソース、タスクといった要素をまとめたものです。プロジェクト目標達成ヘ向けてのプロセスを開始前に作成し、それに沿ってプロジェクトを進めていくことが成功の基本であり秘訣です。

例えば製造業の場合、開発を行う前に商品のニーズの調査を行います。その後開発に必要な材料や人員の確保、開発までに必要な日数、開発から販売にかかるまでのコストや想定されるリスク、販売目標の設定といった具合に必要な要素を洗い出していきます。

プロジェクト計画書はなぜ必要か

前述したプロジェクト計画をより詳細に網羅し、プロジェクトに関わる全員がわかりやすく作成したものをプロジェクト計画書と呼びます。プロジェクト計画書はその目的からプロジェクトを成功させるためには必要不可欠で、必ず成功させたいのであれば作成すべき戦略です。

プロジェクト計画書を作成することでプロジェクトの目的とゴールの明確化、コストの計算やスケジュール設定、リスク管理、人的リソースの割り出し、これらのことがより具体的に細かく把握することができるなど、計画書を作成することによるメリットは大きいです。

プロジェクト計画書を大枠だけ決めて見切り発車で作ってしまった場合、細かいコスト管理やスケジュール管理、リスク管理ができないので、目的はあれどゴールに向かうことは困難になってしまいます。しかしプロジェクト計画書を具体的にかつ細かく作り、それをチーム全体で共有することで進行はスムーズになります。プロジェクトの進捗に計画とは異なる要素が増えた場合でも進捗状況に大きな影響を与えずに修正することも難しくありません。

プロジェクト憲章との違い

プロジェクト憲章とは、プロジェクトの開始に関する承認を明確化したもので、主にステークホルダーや関係者、上級管理職へ向けたものです。プロジェクト憲章はプロジェクトの進行にあたって関わるメンバーの役割や責任を明確にすることで全員が意義や目的、重要性を認識するために欠かせません。

プロジェクト計画書はプロジェクトを達成するための計画の中身をチーム全体で共有し、プロジェクトを達成することを目的とした計画書であるのに対して、プロジェクト憲章はプロジェクトの内容を示し、範囲から責任までそれをプロジェクトに関わる主要な関係者から承認を得ることを目的としたものです。

プロジェクトスコープとの違い

プロジェクトスコープとは、誰が何をどこまでやるかといった範囲を定義するもので、プロジェクトスコープはプロジェクト計画に含まれている認識です。

プロジェクトスコープはプロジェクトでやるべき作業の明確な範囲や期限、ひとつひとつの作業、それを誰がやるのかなどを明確にするので、プロジェクト計画の中においても明確な定義となっています。プロジェクト管理の手法においてプロジェクトスコープは重要な役割を持つため、プロジェクトの規模が大きくなる際にはプロジェクト定義書として別途作成するケースもあります。

作業計画との違い

作業計画とは人や機械に対して、具体的な作業の内容や開始時間、終了時間などを指示するための計画のことを指します。作業計画はプロジェクトの進行よりもその作業現場で施工管理を安全に進めることを目的として行われますが、作業計画はプロジェクト計画内における項目のひとつでもあるので大きな違いはありません。

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プロジェクト計画書を作成する際に必要なステップ

本項ではプロジェクト計画書の作成で失敗しないための基本的な実行ステップを項目別に解説していきます。

プロジェクト計画書作成の5ステップ
  • プロジェクトスコープの定義付け
  • 人的リソースの見積もり
  • スケジュールの決定
  • 予算の見積もり
  • リスクアセスメント

STEP1:プロジェクトスコープの定義付け

まずはプロジェクトの立ち上げに伴い、プロジェクトの範囲であるプロジェクトスコープを定義しましょう。プロジェクトの範囲であるスコープを定義することで、目的とゴールを明確化することができます。

計画を立てる前に担当が目的とゴールを明確化しておくことで、プロジェクトを通してするべきこと、その目的や目標、成約や条件などを洗い出しをしやすくなります。洗い出しを行う際は、まず大きなタスクの洗い出しを行い、その後徐々にタスクをさらに小さく分けていくことで、目標の設定や優先順位などもよりわかりやすくなります。

STEP2:人的リソースの見積もり

プロジェクトスコープの定義によってプロジェクトで必要になる工数や作業内容など、やるべきことが明確になったらプロジェクトの遂行に必要な人的リソースの見積もりを行いましょう。どの作業にどのような人材を割り当てるのか、この作業や部分は外注に依頼をするのかなど、プロジェクトに必要な人的ソースを見積もります。

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人的リソースの見積もりを行う際にはプロジェクトに関わる人間を図式化した組織図のようなプロジェクト体系図や、それぞれの役割を表でまとめた役割分担表を用いて作成をするのがおすすめです。

STEP3:スケジュールの決定

プロジェクトスコープと人的リソースが決定したら、次にプロジェクトのスケジュールを決めていきます。プロジェクトに着手する時期や全体の工期、プロジェクトを完遂するための中間目標地点であるマイルストーン、サービスが開始されるローンチの日程、まずはこれら大枠の予定を軸になるスケジュールとして設定します。

より詳細なスケジュールは、作成したWBSに基づいて管理しましょう。

STEP4:予算の見積もり

プロジェクト完遂までに必要なリソースとそのスケジュールが決定したら次に予算を見積もります。予算を先に見積もりする方もいますが、必要コストというものはスケジュールによっても変化するためまずはスケジュールを立ててそれに合わせた予算を見積もるのが基本です。仮に予算を超えてしまうようであれば優先順位を基に見直して進めます。

プロジェクトの目的は内容によってさまざまですが、どのプロジェクトにも共通して言えることは最終的に利益を出すことです。利益を出すためには、収支を計算して見積もることが重要となるので、予算を確定させて目標とする売上や利益を明確化してプロジェクトマネジメントをしましょう。

STEP5:リスクアセスメント

リスクアセスメントとは危険性や有害性を特定し、そのリスクの除去や低減措置を行う手順のことです。

プロジェクト計画に必要な要素を洗い出すことで、想定されるリスクが見えてきます。プロジェクトの達成にはそのリスクへの対策を講じる必要があります。リスクを洗い出して、あらかじめ対策を決めておくことでプロジェクト計画に安全性が生まれ、より説得力が増します。

リスクアセスメントを行った際にリスクが大きい場合は、計画の見直しや修正などが必要になるケースもあるので、プロジェクト計画書作成の締めとしてもリスクアセスメントは重要なステップです。

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プロジェクト計画書に必ず記載すべき項目

プロジェクト計画書には概要を記載し、目的や背景、作業時間、ゴールを明確にする必要があります。

特にプロジェクトの目的とゴールは重要な項目で、目的とがゴールが事業戦略に紐づいているか、ゴールすることでどのような効果や利益が出るのかなどを明確にすることが大事です。プロジェクト計画におけるゴールとは、品質(Quality)、費用(Cost)、納期(Delivery)、これらの数値を指します。下記を参考に記載してください。

プロジェクト計画のQCD
  • 品質:成果物の品質や運用品質を細かく設定し、達成すべき品質を明確にする。
  • 費用:原価率や利益目標を記載し計画したコストを守る
  • 納期:中間目標の日程、ローンチの日を守る

プロジェクトスコープ

システムの範囲や成果物の定義を行い、プロジェクトで取り組むべき範囲を記載します。スコープを記載するには、WBSを作成することが大事で、WBSとは、行うべき作業を細かく分解した作業分解構造図のことをいいます。

行うべき作業を細かく分類して作業を洗い出すことでWBSを作成しやすくなり、具体的な作業内容や時間、コストなどを割り出すことができます。WBSを作成することでプロジェクトにおけるスコープをより明確化できます。ここで作成したWBSは下記で紹介する添付書類としてまとめておくとよいでしょう。

プロジェクト体制

参加するメンバーとそれぞれの役割を定義します。責任の所在を明確にするためにも役割の割り当ては必要な項目で、これを共有して周知するためにも体制図を作っておくとわかりやすいです。プロジェクトに関わるメンバーは、社内外問わず全て記載するようにしましょう。

スケジュール

プロジェクト全体の日程を記載します。ここでは各工程の日程ではなく、プロジェクトの開始から完了までを見通した、マスタスケジュールを作成します。スケジュールを作成する際にはクリティカルパスを特定しておくことで不測の事態での遅れを防げます。

マスタスケジュールは、先ほどの項目で紹介したスコープで作成したWBSを元に計画しますが、上層部やスポンサーなどに必要なプロジェクト憲章や報告書ではWBSは細かすぎるので注意が必要です。

プロジェクト予算

プロジェクトに関わる全ての費用を記載します。予算(コスト)には人件費や外注費、ネットワークの構築費用、ライセンス費用、備品費などが挙げられます。これらの他にも出張が必要であれば出張費、外部との打ち合わせで飲食を利用した場合は交際費などの費用も含まれます。

コミュニケーションルール

プロジェクトが大きくなればなるほど関わるメンバーが増え、コミュニケーションは難しくなります。特に社外のメンバーが関わることもあるのであらかじめルールを策定しておきましょう。

会議や定例会の日程やその際に作成する議事録のフォーマットなどプロジェクトを円滑に進めるにあたって必要な項目を明記しておくことが求められます。

プロジェクトの失敗要因としてコミュニケーションが挙げられることは珍しくありません。ミーティングの設定はもちろんですが、チャットツールなどさまざまなコミュニケーションツールを活用するのが望ましいです。

リスクとその対応方法

プロジェクト計画書を作成する前に洗い出しした考えうるリスクとその対策方法を明記します。万が一プロジェクト進行中にトラブルが起きたときにすぐに対応できるよう、具体的に記載しておくことが重要です。併せて重要度や発生確率等も記載しておくと良いでしょう。

その他添付書類

プロジェクト計画書を作成する際に使用したWBSや書類の取り扱いルールといったものをすべて計画書へ織り込んでしまうと情報量が増えてかえってわかりにくくなります。計画書に必要なものは残し、別で管理する際は添付書類にするなど、わかりやすく棲み分けしておくことが重要です。

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プロジェクト計画書を作成する際の注意点

プロジェクト計画書は規模や内容によっては膨大な情報量となり、それに伴って必要となるページ数も膨大になりがちです。規模が大きく情報量が膨大になると関わる人数も多くなり、情報をしっかりと共有することが難しくなります。プロジェクト計画書を作成する際は、以下のようなことに注意しましょう。

フォーマットの統一

規模が大きいプロジェクトの場合、多くの人が計画書作成に関わることになります。計画書のフォーマットを統一しておくことで情報の修正や変更を共有しやすくしておきましょう。

また、フォーマットを統一しておけば担当者や責任者が変更になった際も、引継ぎなどの対応がしやすくなります。プロジェクトをマネジメントするに当たって属人化を防ぐという意味でも有効です。

誰でもわかるように可視化

プロジェクト計画書は立場や分野を問わず、プロジェクトに関わる全ての人が閲覧します。自分がわかるからといって専門用語を乱用するのは伝わりにくくなるだけでなくプロジェクトの進行に支障をきたすおそれがあります。

文章だけで作成をするのではなく、適宜グラフを用いるなど視覚的に工夫をすることで誰が見ても意思疎通が図りやすくしておくのがポイントです。

情報共有の徹底

プロジェクトに関わる人数が多くなるほど、情報の共有は重要になります。内容の周知だけでなく、プロジェクト計画書の記載方法や読み方などのルールについても共有しておきましょう。情報共有が疎かになると、認識の食い違いや、予想外のトラブル、修正や手戻りコストが発生する可能性があるので、情報共有はルール化して徹底しましょう。

プロジェクト計画書の作成に役立つツールを紹介

プロジェクト計画書は規模が大きく情報量が膨大になるので、一から作る場合には時間や労力が必要です。しかし、各工程で必要なツールを使うことで作業効率を上げ、より分かりやすくて説得力のあるプロジェクト計画書を作ることができます。

ここからは、プロジェクト計画書の作成に使える便利ツールを厳選して4つ紹介していきます。

HubSpot

HubSpot

HubSpotはプロジェクトの計画や作成、管理のための一元的なプラットフォームです。複数のプロジェクトを同時に管理することが可能で、タスクやプロジェクトの承認も自動化できます。

また、一般的なビジネスツールやアプリとの連携が可能で、インターフェースもわかりやすいので、初心者の人でも使いやすいため安価でCRMを使いたい業種や、段階的にITツールを導入したい業種におすすめのツールです。

・費用:Starter ¥2,700~/月、Professional ¥96,000円/月~、Enterprise ¥144,000~/月、無料プランあり
・機能: 顧客情報収集・管理、顧客とのコミュニケーション支援、SNS広告

monday.com

monday.com

monday.comはあらゆる業務を一つの場所で効率的に一元管理できるツールです
一番の特徴はさまざまな業界で使える豊富な機能にあり、monday.comでは、マーケティングはもちろんのこと、クリエイティブ、ソフトウェア開発といった幅広いプロジェクト管理に使われています。マーケティングの繰り返し作業を自動化するやオートメーション機能や、バグ報告を受けた際に、その解決を自動でタスク化する機能など、内容や状況に応じて機能を使い分けできることもポイントです。

・費用:個人¥0/月、ベーシック¥1,300/月、スタンダード¥1,700/月、プロ¥3,300/月
・機能:ボードで一元管理、ダッシュボートを使ったタスクや収益の可視化、自動化、ドキュメント

プロカン

プロジェクト管理ツールのプロカン

プロカンは案件やプロジェクトごとの収支管理に特化したクラウド型(SaaS型)の基幹業務システムです。幅広い業界で運用できるのはもちろんですが企業の案件担当者・経理担当者が「見やすく」「使いやすい」UIを意識して開発。まずはいろいろなツールを比較する際の候補として資料や料金、デモを確認してみてください。

・利用料金:1ID¥4,400/月、導入アカウント費:1ID¥27,500/月
・機能:原価・予実管理から会計までの経理業務

プロカンの導入事例やお客様の声は下記から確認できます。まずは資料請求やデモンストレーション

Jira Software

Jira Software

アジャイルチームのためのソフトウェア開発ツールで、プロジェクト管理にも多く取り入れられています。スクラム方式やカンバン方式のどちらにも対応しており、チームのパフォーマンスに関するレポートや、3000以上のアプリとの連携など、機能も豊富に搭載されています。導入のしやすさ、使いやすさ、価格など、トータル的にバランスもよく、ユーザー満足度も高いツールで、ソフトウェア開発、段階的なITの導入などに向いているツールです。

・費用:クラウドプラン¥893/月、オンプレミスプラン¥0/月
・機能:タスクや収支の可視化、課題(チケット)による情報共有、高速で柔軟な検索機能とフィルター、プロセスに合わせたワークフロー、豊富なレポート機能

プロジェクト計画書が、プロジェクトの成功を左右する

この記事では、プロジェクト計画に必要な項目や、計画書作成のコツや注意点を中心に解説しました。プロジェクト計画は必要性を正しく理解し、過不足なく適切に作成することが重要です。

プロジェクト計画書を正しく適切に作成することで、目的やゴールが明確化し、プロジェクトのスムーズな進行はもちろん、プロジェクト計画(書)の作成に対するモチベーションも上がります。プロジェクト計画を正確に適切に作成するためにも、ここで解説した項目や注意点をしっかりと理解し、必要であればツールなども用いて、説得力がある正しいプロジェクト計画書を作成しましょう。

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