2023/11/2 2024/4/23
【補助金あり】業務管理システム導入のメリットと選び方|おすすめツール紹介
どんな業種や企業にとっても重要な課題である、業務の効率化と生産性向上。これらの実現のために、業務管理システムの導入が注目されています。業務管理システムは、プロセスの自動化やタスクの管理、データの統合・分析といったあらゆる機能が存在し、導入によって得られるメリットも多いでしょう。
しかし業務管理システムや業務管理ツールは種類が多く、どれを選ぶべきか、どのような機能が自社に必要か、正確に判断することは容易ではありません。そこでこの記事では業務管理システムについて徹底的に解説し、システムやツールの選び方とおすすめのシステムについて詳しく紹介します。自社の業務プロセスの最適化に向けて一歩踏み出すための貴重な情報を記載しましたので、ぜひご活用ください。
目次
業務管理システムとは
現代のビジネス環境で不可欠ともいえる業務管理システム。これは、組織内の業務プロセスを効果的に監視・管理し、さまざまな業務関連の情報を一元化するためのシステムやツールを指します。
業務管理システムは日常業務の効率性向上、リソースの最適化、タスクの管理、データの統合と分析、コミュニケーションの円滑化など、さまざまな機能を持ちます。これらを活用することで、従業員一人ひとりの生産性を高め、よりスムーズな組織運営が可能となるでしょう。
業種や業務の性質を問わずあらゆる企業で利用されており、業務管理システムの導入が遅れていたり、適切でないものを使用していたりすると、競争力を失ってしまうおそれがあります。次項から業務管理システムの詳細を説明しますので、自社に最適なシステム導入の参考になれば幸いです。
業務管理システムの種類を目的別に紹介
業務管理システムは、企業の業務効率や経営効果を向上させるためにさまざまな目的で利用されます。以下では業務管理システムの種類を目的別にいくつか紹介します。
会計管理システム
会計・経理系の業務をサポートするシステムで、経理業務の効率化や中小企業で経理専任スタッフがいない場合にも非常に役立ちます。入力された仕訳データから帳簿データを作成する機能や、経費生産に関する一連のフローをオンライン上で一元管理する機能等、多種多様な機能を持っています。他にも会社の財務状況を把握したり、会計処理を行ったりといった機能を持つツールもあります。
人事管理システム
人事管理システムでは、従業員の基本情報から勤怠状況、労務管理まで、各従業員の情報をデータ化して管理することができます。他にも人事評価や給与計算なども同時に行えるため、組織編制や人材配置の効率化、人材育成に貢献します。
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在庫管理システム
商材系の業務管理を行うには在庫管理システムを導入するとよいでしょう。在庫状況をリアルタイムで管理でき、入荷から出荷までのフローを最適化できます。ECサイトや、楽天・Amazon等のECモールと連携できるシステムもあります。
プロジェクト管理システム
プロジェクトの目標やスケジュール、進捗状況を総合的に確認するためにはプロジェクト管理システムの導入が必須といえます。プロジェクトマネージャーの意思決定支援だけでなく、メンバー全員の意識統一のためにも、全員がプロジェクトの全体像を把握できる管理システムが重宝されます。
これらの業務管理システムは、多くの企業が課題解決やコスト削減を実現するために導入しており、クラウド環境での利用も増えています。今日の企業は、自社の業務や状況に合った適切なシステムを導入することが求められているでしょう。
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無料で利用できるエクセルベースの業務管理システムやツールもある
エクセルは、本来の用途である表計算以外にもデータ分析とレポート作成が行えるツールであり、タスクリスト、ガントチャート、予算計画など、さまざまな業務管理テンプレートを作成できます。社内で作成しなくとも、ネット上に公開されているものから無料でこうしたエクセルのテンプレートを入手することも可能です。
例えば、ウェブサイトの「みんなのExcelテンプレート」が有名なものとして挙げられます。業務管理システムを導入しておらず、今後導入を検討している場合、一度こうした無料のエクセルテンプレートを利用し、社内の意見を集めてみるのもいいかもしれません。エクセルは利用者が多く、広く流通しているソフトウェアですので、テンプレートごとの基本的な使い方さえ従業員らに周知すれば、すぐに社内全体で利用できます。他の業務管理システムと異なり、トレーニングにかかる費用や時間を節約できるというメリットも見逃せません。
業務管理システム・ツールを導入するメリット
ここまで解説してきたように、業務管理システムにはさまざまな種類があり、システムを導入することで得られるメリットも多数存在します。この項目では、主なポイントをご紹介いたします。
業務の効率化
業務を効率化できることが業務管理システム導入の最大のメリットでしょう。情報を一元化することで情報の検索や共有がスムーズになります。例えば、営業担当者が顧客からの質問を受けた際、スピーディーに必要な情報を探し出し、的確な回答を用意できるでしょう。さらに、プロジェクトメンバー間や部署間で情報の共有が容易になり、企業全体の効率性・生産性向上へつながります。
ナレッジマネジメントの推進
業務が属人化しているケースでは、そのプロジェクトの担当者以外は業務内容や進め方を理解していないという状況が起きてしまいます。業務管理ツールに情報を集約し、簡単にアクセスできる状況を作っておくことで、マニュアルに記載されていない暗黙知が広く共有されます。属人化を防止し、ナレッジマネジメントを推し進めることも業務管理システム導入によるメリットのひとつでしょう。
コストの削減
紙の書類の作成や、その保管場所の確保が不要になるため、それらに伴うコストが削減できます。さらに、紙であれば集計や作成に多くの時間と手間がかかりますが、業務管理システムの利用により大幅な簡略化が可能となり、従業員の負担軽減や人件費削減へつながります。
現状分析への活用
あらゆる社内の情報が業務管理システムへ集積されるため、それらの情報をもとにさまざまな分析が行えます。データ分析による需要予測などの運用が可能になり、在庫の抱え込みや不足といった問題を未然に防ぐことができます。業務管理システムの導入により、企業のランニングコストが改善される可能性があり、経営判断のリソースとしても活用できます。
業務管理システムの導入を検討すべき業種や業界
プロジェクトベースの業種・企業全般
建設や製造、広告代理店などのプロジェクトベース型企業では、スケジュールやタスクの可視化が重要です。業務管理システムを導入することで、プロジェクトの進行状況や各タスクの進捗具合をリアルタイムで把握することが可能になるでしょう。いま現在、プロジェクトがどのような立ち位置にあるかを俯瞰的に確認でき、必要に応じたスケジュール調整やタスクの再配分に貢献します。
製造業
的確な生産計画を作成できる生産管理システムは、工数を低減したり、部門間・拠点間の連携をスムーズにしたりといったメリットがあります。また、部品表管理システムは製造業に特化した業務管理システムであり、関連業種・企業は導入を検討すべきでしょう。生産性の改善や適切な原価管理などのベネフィットがあり、競争力の向上に貢献できます。
介護業
介護記録システムを導入することで従業員間の情報共有がスムーズになり、利用者に一貫性のとれたケアを提供できるでしょう。さらに、口頭や手書き書類での申し送りはコミュニケーションエラーのリスクや、必要な情報の検索に時間がかかるといったデメリットがあり、最悪の場合、利用者に不利益を与えかねません。システム経由で情報を収集することは、正確かつスピーディな情報取得と共有を可能にし、こうしたインシデントやアクシデントを減少させることができます。
飲食業
注文内容を厨房にリアルタイムで連携することができるオーダーエントリーシステムや、注文から会計までのプロセスを自動化し、効率的に管理することが可能なPOSシステムが飲食業では主に導入されています。人件費を削減し、デジタル化された注文内容により伝達漏れや伝え間違いなどのミスを減らすことができます。
導入費用
業務管理システムの導入を検討する際、費用とパフォーマンスが見合っているかをよく検討しなければなりません。そのために、費用感を把握することが重要です。業務管理システムは大きく分けて「パッケージ」「クラウド」「セミオーダー」「スクラッチ開発」の4種類に分けられます。それぞれの特徴とコストを知ることで、予算に合わせた導入方法を見つけられるでしょう。
パッケージ型
パッケージ型の業務管理システムとは、すでにシステムとして完成しているものを指し、ソフトウェアをパソコンまたはサーバーにインストールすればすぐに利用できます。費用は月額10万円程度が相場です。
パッケージ型は導入時に多めのコストが掛かりますが、買い切り型のシステムのため以降の費用は発生しないものが多いです。昨日の追加やアップデートによる費用が必要になるケースもありますが、長い目で見て安くなる場合もあるので自社の状況と併せて判断しましょう。
クラウド型
クラウド型はSaaSとも呼ばれており、インターネットを通じてシステムを提供するサービス形態です。ソフトウェア自体はベンダーのサーバーにあり、利用者が自社パソコン・サーバーなどにインストールしなくとも利用することができます。従量課金制のものが多く、利用する機能や頻度が少なければ、その分コストを抑えられることもメリットでしょう。費用相場は月額2万円程度と、他より低コストです。
セミオーダー型
セミオーダー型とは、パッケージ製品をカスタマイズして利用することです。パッケージ製品はもともと備わっている機能しか利用できないため、企業によってはかゆいところに手が届かないといった事態も生じかねません。そういった場合はセミオーダーを選択することで、より自社の要件に最適化された機能の実装が可能になります。
カスタム内容にもよりますが、パッケージ型よりも高い費用がかかります。会社の規模にもよりますが、100万円以上かかることも珍しくないため、一度見積もりを出してもらって判断しましょう。
スクラッチ開発型
既製品ではなく、1から自社に適したシステムを開発します。この世に一つだけのオリジナルシステムを開発するので、要望に沿ったものが実現できます。セミオーダーと同様、費用は内容に大きく左右されますが、500万円以上がおおよその費用相場と考えられます。
業務管理システム・ツールの導入に使える補助金・助成金
補助金・助成金は、新しいテクノロジーの導入を支援し、競争力を高めるための貴重な資金源です。業務内容や社内ニーズに合致したシステムやツールが見つかったら、補助金・助成金の対象であるかを確認しましょう。
例として、勤怠管理システムでは「IT導入補助金(経済産業省)」と「働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)」が使えます。特に「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者をターゲットにしており、業務効率や売上のアップをサポートするためのものです。「働き方改革推進支援助成金」も同じく中小企業・小規模事業者が助成対象で、特に働き方改革に取り組んでいる企業や事業者を支援する制度です。
また、「IT導入補助金」はIT導入補助金事務局に登録されているものならすべて対象です。主に以下に関連したシステムやツールが対象となります。自社の業務内容が該当しているか、一度確認しておくことをおすすめします。
- 調達、供給、在庫、物流
- 総務、人事、労務、給与
- 顧客対応、販売支援
業務管理におすすめのシステム・ツールをご紹介
業務効率化や生産性向上を達成するには、適切なシステムやツールを選択しなければなりません。そこで、業務管理システム・ツールを選ぶ際のポイントを解説し、代表的ものを紹介していきます。
業務管理システムを選ぶにはどんなポイントに注目すべき?
業務管理システムを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
業種・業界やニーズに合致していること
当然のことながら、自社のビジネスニーズに合ったシステムを選びましょう。これまで見てきたように、業務管理システムと一口に言っても、業種・業界ごとに異なる要件やプロセスがあり、それらに特化したシステムでないと十分にメリットを生かすことができません。
カスタマイズ性があること
同じ業種・業界であっても、企業ごとに要件の詳細が異なっていることもあるでしょう。システムがカスタマイズ可能であるかは重要なポイントです。ビジネスの要件に合わせて調整し、自社に合ったシステムの最適化を図りましょう。
使いやすいこと
ユーザーフレンドリーで操作が分かりやすいシステムは、メンバーのトレーニングや適応にかかる時間・費用といったコストを削減できます。従業員がシステムを簡単に操作できるかどうかを考慮してシステム選びを行いましょう。
コスト
システムの導入費用、ランニングコスト、ライセンス料などを総合的に検討し、予算に合った選択をしましょう。特にランニングコストは導入してから毎月固定額で必要になります。初期費用が高いツールであっても5年後、10年後を見据えてどちらがお得なのかを判断しましょう。
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業務管理システム導入によるメリットについて
業務管理システムにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。いずれも効率の良い業務遂行やコスト削減を支援するものです。こうしたメリットを最大限活用するためにも、自社に最適なものを選びましょう。